社長エッセイ

2021.04.8

2020年度チームマネジメント研修の振り返り

お世話様です。

前回のエッセイでは、「新人育成」について書きました。
そのエッセイの中で、多くの介護現場においては「新人育成」ができているのに、なぜかしら「人が育っていない」という話を書きました。

そんなことはないよ。
「人は育っている」と言われる方もおられると思います。

5年前の平成29年10月4日社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会が示した「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」(概要のリンク)は、介護現場の人材育成のあり方を示した指標です。

この指標では、介護現場は人材育成を目指してきたが「人が育っていない」ことの現実を直視し、では「人を育てる」ためにはと具体的に世の中に提言しています。

この指標に則り介護福祉士養成校のカリキュラムはその後、変更になり実施に入っています。しかしながら介護現場の人材育成はいかがでしょうか?

介護現場まかせではないでしょうか?
皆様の法人施設は、先ほどの指標に対して具体的な取り組みをされていますでしょうか?

谷さん、5年前のことだよ。
国が言っていることは、理想だよ、現実的でない。
今は、生産性の向上やICTの導入、科学的な介護の取組だよ。
新たな介護報酬改定に伴う取組、人の確保、新型コロナ対策、そして将来的には外国人留学生も入ってくるし、やる事はたくさんある。
理想よりも今の現実をどうするかだよ。

たしかに「やらねばならない事」はたくさんあります。
前のエッセイで書きました。
「介護の質の向上」と言って「ずーと変わらない」社会が介護現場と。

おかげさまでこの新型コロナ禍においても、ピーエムシーのクライアント様は、無事2020年度の研修を終え、2021年度の新たな研修体系に取り組みを始めています。

2020年度のスタートは、新型コロナ禍の非常事態宣言の発令で4月、5月の休止、または7月まで休止の状態で始まりました。

以下は、弊社研究開発室長の斎藤洋の2020年度の振り返りです。
新型コロナ禍における人材育成のあり方や工夫を書いています。
皆様のお役に立てれば幸いです。

2020年度のふりかえり(研修のオンライン化) 文責 斎藤洋

○はじめに

2020年度、多くの方がそうだったと思いますが、自分にとっても仕事のやり方が本当に大きく変わった年でした。

春から夏にかけ、新型ウイルスの影響が予想をはるかに超えて長期化し、数々の研修が中止または延期となりました。私たちピーエムシーでも、研修のあり方を対面からオンラインに変更して研修を準備し提案することになりました。

ピーエムシーは今まで、どちらかというと介護の「専門性」よりも「組織性」に焦点を当てた研修をやってきました。講師の知識を受講生に伝えるというよりも、受講者と講師、あるいは受講者同士の対話を大事にした研修です。それを売りにここまでやってきて、ここにきて今更「距離をとろう」「密を避けよう」と言われ、いったいどう研修をアレンジしようかと、悩みながら相談しながら研修を進めてきました。

ある法人では、複数の拠点施設のリーダークラス職員を対象としたマネジメント能力向上のための研修を毎月1回、3.5時間×8回のオンライン研修として実践を重ねました。研修のテーマは「部下との関わり」グループと、「業務改善」グループに分かれました。研修には5名の講師が関わりましたが、ICTを活用してお互いの認識のずれを防ぎながら8回の研修を無事に終える事が出来ました。

○研修の内容や質の担保

・毎月1回3.5時間×8回のチームマネジメント研修を5名の講師が分担して進めるにあたり、毎月1回の講師ミーティングをzoomを使って行いました。

・研修実施時は、講師は東京や横浜など様々な場所からzoomで新潟の施設と繋がります。ピーエムシーも必ず研修事務局として三条市から回線をつなぎ、研修を行いました。

・法人と相談して、毎回1名研修実施時にオブザーバーの出席をお願いしていました。オブザーバーは法人内の管理職の立場の方をお願いしました。オブザーバーは会場にいて講師がカメラ越しに気付けないことを伝えてくれたり、第三者の立場から研修に関する率直な意見を頂きました。

・研修事務局とオブザーバーで毎月1回のミーティングを開き、様々な意見感想を聞きながら研修内容の修正を行いました。

○ツール

・オンライン研修では、zoomを活用しました。いろいろなやり方を試しましたが、「1拠点1グループ(図1)」が最も多かったです。使用機材は初期のころは施設にお願いしてプロジェクターやスクリーンを用意してもらっていましたが、だんだんとシンプルになり、現在ではノートPC とスピーカーフォン、インターネット回線で研修を快適に行う事が出来ています。

・「1拠点多グループ(図2)」も何度か試しました。原始的ですが、この形で研修を行う時は、研修会場にいるオブザーバーの方にお願いして、スピーカーフォンを定期的に動かしてもらい、各グループの話し合いを聞かせてもらいました。

・研修の準備や振り返りの際は、スラックがとても大きな役割を果たしました。ピーエムシー(研修事務局)と研修施設と講師をスラックでつなぎ、研修資料や情報のやりとりをしました。年度途中からは、いくつかの施設のリーダーさんたちが「受講生チャンネル」をつくって講師と繋がり、頻繁なやりとりを始めました。講師も多忙な中、丁寧に受講生とやりとりを重ねて、その施設の取り組みはとても素晴らしい成果をあげました。

○工夫

・ほとんどの研修で受講者がマスクを着けており、講師から受講生の顔が見えない、表情が分からない、ということが起こりました。ある施設の施設長は、この話を聞いて受講生のマスクを外した笑顔の写真を撮り、わざわざ講師に送ってくださいました。また、施設の様子も講師に分かってもらいたい、と航空写真など数枚の施設の写真を講師に送ってくださいました。

・ほとんどの研修で受講者の許可を得てレコーディングし、講師間で観て他の講師のやり方を学んだり、施設長にみてもらったり、使い方には十分注意が必要ですが、こういう事が簡単に出来るのがzoomの良い点だと思いました。

・介護施設がこのようなICT化を進めるにあたって、今までパッとしなかったいち職員が、実はパソコンに詳しくて「めちゃ頼りになるじゃん!」ということが起こったりして面白いなと思いました。

○課題

・オンラインの研修は、講師と受講者の距離を近づけることが難しいだけでなく、受講者間の対話を深めることが難しいもので、色々と工夫が必要でした。わざと休憩を長めにとってみたり(そうすると99%仕事の話で盛り上がる)、「フリータイム」と称して会場の受講者に時間をあげて好きなこと話してもらったり、ここは今後も工夫が必要な部分だと考えています。

・もっともっとスラックとかラインワークスのようなチャットツールを使いたいのですが、殆どの介護職員の方が、職場では自分用の端末を持っていないため、なかなかここが進みません。今クロームブックとか2~3万円で買えるものもあるので、もっと変わるといいな、と考えています。

○2021年度に向けて

・今年度は個人的にはグーグル(特にGoogleフォームyoutube)を活かした介護現場の生産性向上に挑戦したいなと思っています。もう既に色々な使い方されていますが、本当に面白くて大きな可能性を秘めています。