研修担当者のブログ

2022.04.5

リーダーシップとマネジメント 組織開発

介護職の情報共有とケアの標準化

研修で色々なリーダーさんの悩みを聞きます。
リーダーさんの悩みの中で「チームで情報共有が出来ない」というものがあります。
「大事なことを申し送りをしても、それがチーム全員に伝わらない」とか
「ケアの方法がバラバラで、いつまでも標準化されない」とか、こういう悩みを多くのリーダーさんが抱えています。

その要因は、職員の多様化(資格・年齢・経験・雇用形態)や、人材不足で会議や申し送りが簡素化されていることなどが考えられますが、今回は
「送り手(情報を発信するリーダー)」と
「受け手(チームのメンバー)」それぞれの課題に焦点をあてて、具体的な対策を検討してみます。

まず、送り手の課題として、以下のようなことが考えられます。
1)チームメンバーへの発信がうまく行っていない
2)発信出来ているが、その後のフォローができていない(個々のメンバーへアプローチ不足)
3)個別のアプローチをしているが、それがうまく行っていない

上記1)、2)が出来ているリーダーさんでも、3)が難しい、と感じているケースが多いように思います。
3)を解決するために、ピーエムシーのリーダー研修では、アサーションやコーチング(4つのタイプ)、エニアグラムを学び、これらを1on1でどう活かすか、ということを学びます。「相手を変えるには、まず自分が変わること」を意識し、実践したことをプロセスレコードという手法でリフレクション(ふりかえり)し、研修受講者間で共有します。

 それから、情報共有がうまく行っていないときは、受け手にも何かしら課題があることが多いです。例えば、
1)指示されたことの意味が分かっていない
2)意味が分かっているが、やりたくない
3)意味がわかっているが、行動に移せない
などです。
1)を防ぐには、信頼できるメンバーに「今回のお願いってちゃんとみんなに伝わったかな?」と聞いてみることが大事です。2)3)については、気になる職員に直接話しかけ、個別に確認したり、説明したり、お願いすることが必要です。このときリーダーは「〇〇であるべき」という価値観を一旦脇において、相手の言い分を聞くことが大事です。 

 また、リーダーがチームメンバーに何かを伝えるときは「何のために、どうしてほしいか」を伝える必要があります。「何のために(目的)」が共有されず「どうしてほしい(方法)」だけが伝わってしまうことが、介護現場では結構よく起こっているように思いますが、これではケアの標準化どころか、画一化を招いてしまいます。

 チームの情報共有を良くしていくために上司に相談し、客観的意見をもらうのも良いと思います。上司と共同戦線で、課題のあるメンバーに働きかけるのも良いと思います。

 ある施設(特養)のユニットでは、定期的な会議の時に短時間の勉強会を行っていて、ユニットのメンバーに交替で勉強会を担当させているそうで、とても良い取り組みだと思いました。会議の準備や司会など、リーダーや中堅職員が中心となって行っているところが多いと思いますが、役割を分担しみんなに仕事を任せることでメンバーの当事者意識が高まり、仕事への姿勢も変わってくると思います。

 皆様の事業所のリーダーさんはどうでしょうか。部下に個別に関わり、伝達事項の理解度や実行状況を確認し、うまく動けていない職員にアプローチすることが出来ていますか?
働きやすい、働きがいのある職場をつくるためには、リーダーに「課題解決能力」を学んでもらう必要があります。介護に関する知識技術だけでなく、部下への伝え方のスキルや、上司に相談するスキルや、課題を解決できる方法を提案し実行するスキルを学ぶ必要があります。これは前回も書いた「組織開発」につながる話です。

次回も引き続き「組織開発」に関するブログを書いていきます。