研修担当者のブログ
2024.05.15
卵焼きを作りながら介護技術のOJTについて考えた
私は料理が好きで、簡単なおかずなどよく作ったりしています。
最近、卵焼きの作り方を高校生の娘に教える機会があったのですが、教える前に改めてレシピを調べたところ、自分の卵焼きの作り方が、かなり自己流になっていることに気づき、ちょっとびっくりしました。一年前に「正しいやり方」を学んだはずなのに、いつの間にか自分なりのアレンジを勝手に加えていたのです!
いつのまにか「自己流」になってしまうという現象は、介護技術にも通じるものだと思います。
特にユニットケアの職場では、介護職員がひとりで仕事をする時間が長く、他人の技術を直接観察する機会が少ないため、介護技術が自己流になりやすいと思います。
自己流の技術は、時に効率や安全性に問題を生じさせることがあります。
春は、新人職員の育成や他部署からの職員への仕事の引き継ぎが多い時期です。
教育する側の職員が正しい知識や技術を十分に身につけていない場合、新人職員に間違った方法を教えてしまうリスクがあります。
また、忙しい中で行うOJTでは、介助の目的や根拠を説明することがおろそかになりがちで、新人職員が単に手順を覚えるだけになることがあります。
これでは、個々の業務の目的や重要性を理解し、優先順位をつけて効率的に働くことが難しくなります。
以下の表は、介護技術の共通手順をまとめたものです。
専門学校や大学で正しい介護技術を学んできた方の多くが、入職当初は基本に忠実な介護技術を展開しているのですが、どうしても多忙な介護現場で毎日介護を行っていく間に、大事な手順を抜かしてしまったり、忘れてしまったり、ということが起こります。
そうならないために、介護技術については、指導する側も定期的に学び直しを行っていく事が大切です。
新人職員の指導者を選任する場合、ちょっと大変かもしれませんが、管理者は指導者に対して
「教える前に指導者自身が学び直すことの大切さ」
「指導者が学び直しをすることで自信を持って新人に教えられるようになる」
「それらの経験が新人だけでなく、指導者を成長させることに繋がる」
ということをきちんと説明することが大事だと思います。
新人職員が個々の業務の目的や根拠を理解し、正しい手順で介護技術の実践が出来るよう、指導者、新人へフォローを是非お願いいたします。