研修担当者のブログ

2024.04.15

お役立ち情報 リーダーシップとマネジメント 研究・報告・各種資料

「中堅職員向け次世代リーダー養成研修」実施報告

 1)研修の概要

・事業目的:次世代のリーダー、リーダー候補者として必要とされる資質を高める
・方法  :昨年度に続き、Zoomを使ってオンラインで実施
・参加者数:46

 2)講師 :斎藤 洋(ピーエムシー株式会社主任講師)

 3)実施日時等
・実施日:令和6313日(水) 14時~16時(120分)
・場所 :オンライン研修として実施

 4)内容 :
・研修テーマ       「介護現場のコンフリクト(対立の解消)」
・「コンフリクト」とは、簡単に言うと対立のことです。

「コンフリクトマネジメント」とは、異なる意見や利害が衝突した際に、調整や解決を図るプロセスのことです。
今回の研修では、コンフリクトが大きく三種類あること、
コンフリクトにはチームの成長につながるポジティブな側面もあること、
そして適切な対処の方法があることを説明しました。

オープンクエッション、コーチングのGROWモデルを学び、職員の思いや対立の原因を丁寧に聴いていく事が対立関係を変えていくことにつながることを学びました。

・講義とブレイクアウトセッションでのグループワークを行いました。

5)結果

上記は受講者の皆さんの研修満足度を図示しています。

8割の方が「この研修に参加した意味があった」と感じてくださっていました。
2割の方の不満は「グループワークの時間が短い」「解決できない疑問が残った」といった内容でした。

頂いたご意見は、今後の研修に活かしていきたいと思います。

 自由記述で書いていただいた研修の感想ですが、ChatGPTにカテゴライズをしてもらった結果、以下の5つのカテゴリーに分類されました。

[受講者の学びや感想]

1.コミュニケーション技術の向上につながった
・質問力・コンフリクト理解の必要性を感じた
・相手の話を丁寧に聞くこと、オープンクエスチョンを使うこと
・コミュニケーションの図り方の重要性
・正しい情報を得るための質問力
・言い方や聞き方を工夫することの大切さ
・具体的な聞き方、伝え方を学んだ
・人の意見を聞くことの重要性を痛感した

 2.コンフリクトの解決方法や考え方を学んだ
・対立が必ずしも悪いことではないとわかった
・職員それぞれの立場を理解することが大事だと分かった
・個々の職員の意見や価値観の違いを聴き、現状をすり合わせ、協力関係の構築を測ることの重要性
・職員間の対立が正しく解決されれば良い方向に向かうことがわかった

 3.チームワークと協力
・さまざまな職員と協力してケアをすすめることが大事だとわかった
・ひとりひとりの職員の意見を尊重することが大事
・経験者の意見や価値観を同じ方向に向けて仕事に活かす工夫が必要だと思った
・チームをまとめる力、コミュニケーション能力が重要だとわかった

 4.自己認識と成長
・自分と他者の価値観は違う。違っても良いのだと理解した
・コミュニケーションが最も重要だと思った
・「なぜ」を考えることの重要性を学んだ
・心理的安全性についての理解が深まった

 5.問題解析と戦略的思考
・利用者目線やスタッフ目線、多様な視点から解決方法を考えるとヒントが浮かびやすい
・多様性を認めることの大切さを学んだ
・「なぜ」その行動をとるのか、原因を確認することが重要(出来ていない)

 

「コミュニケーション能力が高い」というと、多くの人は「話題豊富」「だれとでも話が合う」というようなイメージをもつのではないでしょうか。
しかし、介護リーダーに求められるコミュニケーション能力はとにかく「相手の話をしっかり聞ける能力」だと思います。
自分が知りたいことを聞くのではなく、相手の考えていることやその根底にある価値観を理解しようと思って相手の話を聞くことを訓練する必要があると思います。
これがしっかりできるようになると、職員との信頼関係が深まり、チームの心理的安全性が高まってくると思います。

 今回の研修テーマは「コンフリクトマネジメント」ということで、職員間の対立の解消方法について勉強しましたが、職員間の対立が「必ずしも悪いことではない」ことに気づいた方が多かったのも、今回の研修の良かった点だと思います。

チームで仕事をして行く中でいろんなことが起こります。
リーダーにとって必ずしも望ましいことばかりではありませんが、色々な出来事を前向きに捉えて、しっかりと向き合っていくことも大事だと思いました。

 多くの法人、施設が人員不足で困っている中、介護リーダー育成の重要性はますます高まっています。

介護リーダー、次世代リーダーの継続的育成を行っていただくようお願い致します。