研修担当者のブログ

2024.01.31

お役立ち情報 リーダーシップとマネジメント 人間関係とコミュニケーション

リーダーを一発で弱らせる“必殺の一言”とフォロワーシップ

介護リーダー研修をしているとき、
あるリーダーが、「リーダーを一発で弱らせる必殺の一言ってあるよね~」という話になりました。
皆さん、どんな一言だと思いますか? それは・・
「リーダーに聞いておくね」
というセリフです。
リーダーが公体明けで出てきた途端、リーダーへの報告・連絡・相談や伝言がたくさんたまっていて、それを見たリーダーが「う~ん、もっと自分たちで色々決めてくれてもいいのになあ」と、ちょっとうんざりしてしまうというエピソードでした。
チームにおける報連相はとても大事なことなので、リーダーに報連相してくれるのは良いのですが、リーダーに相談するべきことと、自分たちで決めてよい部分を考えたり、判断しようとしていないところがリーダーは気がかりだと言います。

この問題を「フォロワーシップ」という概念にあてはめて考えると、チームのメンバーの「批判力」が足りていない、メンバーが自律的に動けていない、ということになると思います。
「フォロワーシップ」は、アメリカのカーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授が提唱した概念であり、
「リーダーに協力しつつも、自律的な姿勢と判断力を持つフォロワーの資質」のことを指します。リーダーとフォロワーが協力し合うことで、チームはより効率的に目的を達成できるという考え方です。
フォロワーシップの中では、フォロワーに求められる能力を「批判力」と「貢献力」の二つに分けています。 「貢献力」とは、積極的に協力するという意味です。 「批判力」とは、「主体的に考える」「自ら行動する」という意味です。

ピーエムシーでは、「フォロワーシップの簡易診断」をつくって、介護現場の介護職員がどのようなフォロワーシップを持っているかを調査したことがあります。
その結果、介護現場には、「貢献力はあるが批判力が足りない」職員が多い、という傾向がありました。
リーダーに言われたことに応じる素直さはあるものの、自律性、主体性、積極性が足りないという特徴があります。質問、提案、疑問、などの批判的部分が足りていないという傾向が明らかです。
介護職はメンバーの「批判力」の部分をもっと伸ばすことが必要です。毎回毎回同じようなことをリーダーに聞くのではなく、「こういうときは自分たちで判断してよいのか?」「どういう時に相談した方が良いのか?」「本当にこの業務は必要なのか」など、リーダーと確認や質間のやりとりを繰り返しながら、考えながら仕事をすると言うことを、多少面倒でもやっていく必要があります。そうでないと、チームのメンバーはいつまでもリーダーに依存し続けるでしょう。

人材不足で一人ひとりの職員の力が問われている今こそ、フォロワーシップを伸ばす必要性が高まっています。フォロワーシップを発揮することで、リーダーとの信頼関係が強化され、チームの協働力が向上し、組織の目標達成に貢献できるのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。