研修担当者のブログ

2023.08.22

お役立ち情報 リーダーシップとマネジメント

外国人介護士から学ぶ、部下成長のための「スモールステップ」具体的実践

新潟県内でも外国人介護士の方が随分増えてきました。
フィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、モンゴルなど色々な国の方に会いますが、みなさん本当に介護の仕事を頑張っていると思います。日本語でのコミュニケーションもある程度のレベルに達している方が多く、日本人介護士同様に夜勤を含めた全てのシフトに入っている方も多いです。

しかし、ある程度現場で経験を積んでもやはり外国人には難しい業務があります。具体的には「電話対応」「家族対応」そして「記録」の三つだと思います。
介護リーダーやチームのメンバーは、これらの業務についてどのように取り組んで行けばよいのでしょうか。
今回は、モンゴルとベトナムの方と一緒に記録について勉強する機会があったので、記録のスキルをどのように伸ばしていけるのかを考えてみたいと思います。

今回一緒に勉強した外国人は、いわゆる留学生(介護福祉士養成校卒業後、働き始めて4ヶ月経過)の方6名でした。皆さんが、日本語を「話す」ことについては(職場での1対1のコミュニケーションであれば)概ね大丈夫そうな感じでした。
勉強会のときも、皆さんが日本語をスマホで調べて、メモを取りながら話を聞いてくださっていました。漢字もしっかり調べながら書いています。

外国人の皆さんに「普段の仕事はどういう感じですか?」と話を聞いてみました。以下、皆さんのお答えです。

・(日本人の同僚の)手書きの記録は、読めないものが多いので、正直困る。
・パソコンやタブレットで打ち込まれた記録については(ルビがないので読めないこともあるが)よく使われる漢字であれば、字面からある程度意味が読み取れる。
・集団での申し送りは、ついていけないことが多い。
・排泄チェックや食事量チェックは大丈夫だが、ケース記録やヒヤリハット、事故報告書等の記録をまだ経験していない(要約体は大丈夫だが、説明体や叙述体、自分の解釈を書くレベルまで達していない)。

ということでした。

多くの外国人が、日本人と同じように「文章で記録を書きたい」と思っているし、周りからもそれを期待されているとのことで、少しでもはやく、期待されるレベルに達したいと皆さんが考えているようでした。
しかし、今回一緒に勉強してみて、しっかりとした記録を正しい文章で書くためには、まだまだいくつかの段階を踏んでスキルを上げていかないと、日本語での文章での記録は難しいと思いました。

[スモールステップ1]
外国人が、正確な記録を文章で書けるようになるためには、まず介護用語を改めて学習することが大事です。今回、あらためて介護の基本用語のテストをしてみました(ヒントを読んで介護用語を当てるもの)。これに取り組んでみて、思っていた以上に「読む」「書く」スキルがまだまだ足りていないことがわかりました。正しい文章を書くためにも、まずは介護用語への理解を深めましょう。

[スモールステップ2]
次に、「必要な情報をしっかり記録に残せる」よう繰り返し指導することが大事です。基本的なことですが、5W1Hそれぞれについての情報と状況(いつ・どこで・だれが・どのようになったのか)。それに対して介護者は何をしたのか。その結果どうなったのか。まずは事実をしっかりと記し、必要であれば自分の解釈をつける、という順番を徹底して教えることが大事だと思いました。もしかしたら、チーム全体で記録の書き方をある程度統一するなど、外国人だけでなくチームの取り組みとして行うことが必要かもしれません。外国人も含めての記録の取り組みであれば「フォーカス・チャーティング」という記録方法を学ぶのが日本人にも外国人にも分かりやすいと思います。

[スモールステップ3]
上記1,2の取り組みがある程度のレベルに達したら、あとは日常のOJT(確認とフィードバック)を行います。外国人が書いた記録を毎日見てあげて、外国人が理解できるレベルに合わせて、間違っている部分についてフィードバックしていく。いきなり100点を求めず、まずは「記録に必要な情報を全部含める」よう指導し、それが出来るようになってきたら文法的な部分を指導していく、という順序が良いと思います。

とにかく、文法的に多少間違っていても良いので、まずは記録に残してほしい情報を全て記録に残す、ということができるようになるまで、繰り返し指導していく事が必要です。