研修担当者のブログ

2023.10.30

お役立ち情報 リーダーシップとマネジメント 人間関係とコミュニケーション

忙しい中で、高齢者とのコミュニケーションを増やす工夫 ~ストローク理論を介護現場で活用しよう~

[ストローク理論とは]

ストローク理論は、エリック・バーンによって提唱された人間関係の理論です。人間は誰でも他者との感情的な接触である「ストローク」を必要とし、他人とのコミュニケーションを通じて気持ちが満たされる、という考え方です。ストロークには「プラスのストローク」と「マイナスのストローク」があります。他者と言葉を交わすだけでなく、笑顔を向けられる、目線を合わせてくれる、優しく触れてくれるなどが「プラスのストローク」です。ストローク理論においてもっとも良くないとされるのは、叩かれたり叱られたりするような「マイナスのストローク」ではなく、自分の存在を無視されることだそうです。

忙しいからといって高齢者とコミュニケーションを取らないことは、高齢者を不安で悲しい気持ちにさせることにつながります。

 

[今すぐできる関わりの増やし方]

1)関わりの頻度をあげる

高齢者に対して短時間でもよいので頻回にコミュニケーションをとることが重要です。例えば通り過ぎる際に挨拶や笑顔を交えたりすることで介護職が高齢者を認識していることを示すことができます。特に高齢者とアイコンタクトを取ることは忙しい中でもすぐにできる実践で、おすすめです。

 

2)物理的な接触を心がける

物理的な接触を通じてプラスのストロークを提供できます。軽い手のタッチや肩たたき、手を握ることで、高齢者に安心感を与えることができます。

 

3)スタッフ同士のコミュニケーション

スタッフ同士のコミュニケーションを増やすことも大切です。情報共有や相談など、スタッフ同士が協力しあうことで、より良い介護サービスを提供することができます。

 

これらの実践に取り組む事で、忙しい中でも高齢者にプラスのストロークを送り安心感を提供することができます。是非チームで取り組んでいただきたいと思います。

 

補足ですが、プラスのストロークを必要としているのは高齢者だけではありません。毎日忙しい中で必死に働いている介護職の方々も同じで、上司からの労いや励まし、対話(双方向のコミュニケーション)の積み重ねが一人ひとりの介護職の安心感や動機づけにつながっていくと思います。

 

皆様の職場でも是非、プラスのストロークを意識したコミュニケーションをとってみてください。