研修担当者のブログ

2022.03.22

人間関係とコミュニケーション 組織開発

職員の温度差をどうすれば良いか

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
ピーエムシーでは現在、来年度に向けて色々と準備をしているところです。

他業種同様、介護現場もこの2年間コロナ禍の影響を受けて大きく変化してきました。
特に、職員間のコミュニケーションの機会がものすごく減ったと感じています。
食事や休憩が別々になり、飲み会がなくなり、人材不足で日常のコミュニケーションの機会も減っています。

そうすると、職場メンバーがどんな思いを持って働いているのか、どんな価値観で行動しているのか、お互いのことがどんどん分からなくなっていって、声をかけあったり、協力して仕事をしていくことが難しくなっていきます。

ある職員は忙しい中でも「利用者優先」の介護を追求したい。別の職員は家庭の事情もあって残業ができず、効率を追求したい。これを放っておくと、職員の温度差が広がってしまい、対人コンフリクト(対立)の原因となってしまいます。

温度差を埋めるにはどうすればよいのでしょうか。
このような組織的な課題を解決するためのキーワードが「組織開発」です。
ちょっと難しい言葉ですが、チームワークが必要な介護現場のマネジメントにおいて、
とても大事な考え方だと思います。

ピーエムシーが良く引用させていただく立教大学の中原淳さんは、組織開発のわかりやすい説明を以下のように試みています。
1)組織開発の「ゆるい」定義  : 組織をwork(円滑に機能)させるための外的な働きかけ
2)組織開発が必要とされる背景 : てんでんばらばら、職場の多様化
3)組織開発の実行プロセス   : ①見える化 ②ガチ対話 ③未来づくり

これではまだ分かりにくいな~と思った方は、ぜひ以下のリンクで詳細をお読みください。

https://rci.nanzan-u.ac.jp/ninkan/publish/item/16_07_03.pdf

如何でしょうか。
①「チームの温度差」という課題を見える化、
②メンバー間で課題について議論(中原さんの言う「ガチ対話」)、
③課題を解決していくための目標を設定し実践、
というプロセスを踏むこと。そしてこの3ステップのサイクルを繰り返していくことで課題を解決していくという考え方です。
この3ステップをピーエムシーでも取り入れて、自社の研修や人材育成プログラムに活かしています。

これまでの介護人材育成では、専門性を延ばす「人材開発」ばかりが重視され、チームメンバーの関係性やモチベーション向上に関する「組織開発」への取り組みは、これまであまり重視されてきませんでした。
ピーエムシーでは介護現場で起こっている多くの課題が「組織開発」と深く関係していると考え、このブログでも、今後当面の間は「組織開発」をテーマに介護現場の課題解決を検討していきたいと思います。

興味を持たれた方は、ぜひ「組織開発」で検索して情報を収集していただきたいと思います。
書籍、論文色々出ています。