研修担当者のブログ

2023.08.08

お客様の声

新人・指導者育成[新人職員育成100日プログラム]インタビュー

社会福祉法人 上越あたご福祉会
小規模特別養護老人ホーム 大潟愛宕の園 施設長 布施貴士様

社会福祉法人 上越あたご福祉会様 からは、新潟県社会福祉協議会を通じて、ピーエムシーの「新人職員育成100日プログラム」の開発に協力していたき、販売当初の2014年より本プログラムを活用していただいております。

今回は、新人職員育成100日プログラム(新人・指導者育成)について、小規模特別養護老人ホーム 大潟愛宕の園の施設長 布施貴士 様にお話をうかがいました。

私たちの仕事は「ご利用者の暮らしのサポート」

― 介護の仕事に就きたいと考えている方や入職される新人職員の方に、「こんな気持ちを持って入職してほしい」などということがありましたら教えてください。

布施施設長 介護の仕事に対して、「大変,つらい」といったイメージを持っている方もいらっしゃると思います。そんな中で、私共の施設 大潟愛宕の園に見学に来られた方には、「介護は特別な仕事ではないし、介護はそんなに特別なことじゃないんだよ」っていうことは伝えています。
「介護の仕事をするにあたって、もちろん介護技術も必要だけれど、その方が暮らしていて、その暮らしの中でできなくなったところ、できないところをサポートするような、介護というより〝暮らしのサポート〟といったようなところを大切にしています。」というところも伝えています。

確かに仕事をしていく上で大変なことはあるとは思いますが、高齢介護において、その方の人生の集大成というか、そのような場所に立ち会えたり、そのような貴重な時間を一緒に共有できる、人と人との関わりというところで、すごく大切な、そしてやりがいのある仕事だと思っています。

新人育成と職員の意識変容

― 普段心がけていることや、実際にこんなことをやっている,職員さんにこのようなことを伝えているといったことがありましたら教えてください。

布施施設長 新人育成に関しては、「新しく入って来た職員を育てる」というより、「新人職員を、一緒に働くメンバーとして受け入れて、みんなで一緒に協力しながら一人前にして、一緒に働いていく」といったことを心がけてやってきましたが、今はそれが自然な流れになってきたと感じています。

今回インタビューを受けるにあたって、「施設内での新人育成の課題」について考えてみたのですが、新人育成についての課題が思い浮かばなかったというのが正直なところです。

いつから課題がなくなってきたのか振り返ってると、、こんなことがありました。

私がまだ現場で働いていた頃…10年位前は、やはり介護の仕事も「先輩の仕事を見て盗め!」じゃないですけど、職人気質のような、そんな教え方をしてた頃もあったと思うんでね。
先輩は「早く独り立ちしてほしい!」と思うし、新しく入った職員は「先輩の仕事を何とか盗んで自分のものにして、早く一人前にならなくては!」という思いで、お互いに苦しみながら仕事をしていたこともあったと思います。
その頃はちゃんとした育成プログラムのようなものもノウハウなども、介護の世界では浸透していなかっただろうし…。
5.6年前だったかな、新卒で入職してきた職員のことで一つエピソードがありまして。
専門学校を卒業して入ってきた新人職員は、決して仕事においても対人関係においても器用な方ではなく、通常3か月か4か月ぐらいで独り立ちするところを、1年以上かけて育成した経緯があります。
それは私共の施設においてもそれまでなかったことで、数か月で、夜勤まではいかないまでも一人である程度動けるようになるっていうのが普通の中で、その職員をみんなで協力し、ピーエムシーさんの力もお借りしながら育成していったことがありましたね。
その頃からでしょうか、私も含めて、職場内の意識が変わったのかなというふうに思っています。

100日プログラムは「伴走してくれる」プログラム

― ピーエムシーのプログラムでは、チーム育成相関図を作ったり、報告書によって知識技術が今どのくらい理解できているか,新人職員の不安の現状等を見える化させていて、それによって、指導における課題の解決策を一緒に考えていけるところや、面談を通して新人職員と指導者の信頼関係を築いてもらえることは100日プログラムのよいところだと思っていますが、それに関していかがでしょうか。

布施施設長 第三者の方から伴走していただきながら100日プログラムをやっていけるところに、プログラムの良さをすごく感じています。

施設内部だけでやる新人育成だと、施設独自の形式的なものになってしまいがちなので、新人職員と指導者が、第三者からの意見やアドバイスをいただきながら一緒に取組んでいけるところが一番のメリットというか、強みだと思っています。

面談が得意な人って多くないですよね。特に介護職の人は、面談が得意な人は少ないと思います。
100日プログラムの中に、新人職員と指導者で行う面談がありますが、この中には面談時の質問・確認項目がきちんと設定されているのですごく助かっています。
普段OJTをやっていく中でのエピソードが自然と出てくるような項目のチェック内容なので、「あの時、ああだったよね、こうだったよね、こうしたよね、、」などというような会話を新人職員と指導者が自然とできるような形になっていたり、新人職員の困っていることを引き出したり、こんな時でなければ話す機会の少ない指導者の失敗談や新人の頃の話をする仕組みが入っているのも、新人職員にも指導者にとってすごくいいと思うし、助かっています。

新人職員・指導者・チームの成長

― 100日プログラムの目標には、「新人職員の成長・指導者の成長・チームの成長」があります。
指導者が指導を通して成長するということがまさに学び直しで、介護の基本をもう一回改めて勉強し、そこで色々気づき、それを自分で分かっているだけではなく、言葉でちゃんと新人職員に伝えられるようになることが指導者の成長だと思っています。
そして指導者がチームメンバーに色々なお願いを発信できる、うまくできなかった時にリーダーや主任にお願いし、発信してもらい、チームのメンバーが新人職員にもっとよく関わってもらえるチームになることを目的として行っていますが、大潟愛宕の園さんでは、指導に関するみんなの意識がすごく良くなってきたというのを感じています。その辺についていかがでしょうか。

布施施設長 100日プログラムは、私個人としては新人職員よりも指導者にとってすごくいいツールだなと思っています。
新人の時に100日プログラムを受けた職員が、2年後に今度は自分がプログラムでやったことを振り返りながら、100日プログラムの経験者として、指導者の立場でおこなう…ということを続けてやらせてもらっています。
新人から今度は指導者として頑張っている職員の姿を見て、その他のベテラン職員は支えないわけにはいかない状況になることで、チームとして、みんなで指導しようという意識に向かっていくのだと思います。

最初、2年目の職員を指導者にして大丈夫かなという思いはありましたが、すごくいい今やり方だと思っています。

同じプログラムでやっていくので、指導内容の一貫性みたいなところもあると思うし、新人として100日プログラムを受けて、それを今度自分が指導者として新人職員と関わるということは、大変なこともあるかもしれませんが、自分で自分の成長を感じられる、すごいいい機会になっていると思います。
その時のリーダーからの支援や助言や声かけみたいなものがありがたかっただろうし、みんなからフォローしてもらいながら上手に指導ができたことが達成感ややりがいにつながって、そんなことが積み重なって、チームの成長に繋がっているのかもしれないですね。
私共の施設は、そんなところから少しずつ新人育成の風土ができてきたのかなという思いはあります。

介護用語テキストのありがたさ

― 大潟愛宕の園さんは介護の勉強してきた学卒者の入職が多いとのことですが、100日プログラムで使っている基本的な介護用語のテキストDVDについて、「役に立った」もしくは「学校で勉強してきた人たちにはあまり必要ではない」といったところを教えてください。

布施施設長 介護用語集はすごく助かっています。
特に新人職員におすすめする本もないので、ピーエムシーさんの、介護用語がまとまっているテキストはすごくいいと思っています。私が指導者だったときに欲しかったくらいです。
以前、新人育成のためではないですが、人事考課で能力基準書を作成するときに、整理するために新人職員から借りて見させてもらったこともありました。

100日プログラムの最初にやる、用語理解度チェック・テストを見た時に、「私にこの用語の説明が全部できるのかな、、」と正直思いました。(笑)きっと指導者の中にもあのチェック・テストを解く時に、少し調べながらやっている人もいるかもしれませんね。(笑)

指導者の人にとって分かっていて当たり前になっている介護用語を意外と説明できなかったりすることがあると思うので、指導者にとっても介護用語の理解度チェックは、再認識・共通理解という意味で助かっています。

入職希望者にとって安心できる材料

― 新人職員の方を採用するにあたって、100日プログラムがプラスの影響を及ぼすことはありますでしょうか?

布施施設長 100日プログラムがあるから採用が進むという話ではないと思いますが、実際に求職の相談にいらっしゃる方は、介護未経験者や新しく新卒で入ってくる方がほとんどで、「介護はやりたいけれど、私に専門職の仕事がわかるだろうか…」とか、施設見学に来たときに、職員の方たちは和やかな中にもプロの顔で仕事をしているので、「こんなところで自分はやっていけるのだろうか」とか、「聞きなれない言葉が飛び交っていて難しそう」などと不安に感じる人もいるかもしれません。
そんな時に、「私共の施設に入職すると、自分たちのオリジナルではなく、外部の人が入ってくれて一緒に一から勉強できる100日プログラムというものを使って成長できるんだよ。」といったことを説明することで、新しく入る人にとっては安心材料に繋がると思います。

価格以上の価値はある

― 100日プログラムの価格ついて、比べる対象もない中で価格の良し悪しをつけるのは難しいと思いますが、価格について何かコメントしていただけることがあればお願いします。

布施施設長 10万円という価格は決して安くはないと思いますが、ただ、10万円だから、高いから使うのをやめるかというと、使わない手はないですね。
プログラム自体というより、運用方法も含め、使い方によっては10万円という価格はすごく安いと受け取れる商材だと思います。
私共の施設にとっては、10万円以上の価値のある物だと思って毎年活用させていただいています。

第三者が関わることの意味

― チームで関わる時に、チームでやることの難しさや、ケアのやり方(教え方)がみんなバラバラだという〝新人職員のあるあるの問題〟はどの施設にもあるように思います。チームで統一した指導ができているかということに関してはいかかがでしょうか?

布施施設長 チームで、指導者によって教え方が違うというところは、教える側の捉え方も、教えてもらう側の捉え方もあるし、きっとそこは、実際に教えてもらっている側が一番感じているところだと思います。
指導者によって教え方が違う「小さなあれ?」は、新人職員にとってはきっと「大きなあれ?」だと思うし、それが一日に「あれ?あれ?」と思うことが続けば、「全然違うことを教えてもらっている!」といったイメージを持ってしまいます。
そのことを、最近100日プログラムの中で学んだことがありまして。
100日プログラムの新人職員のコメント欄に「思っていることと教えてもらったことが少し違うな…というのを感じて戸惑っています。」との記載があったので、それを早急にユニットで共有することができ、早めに対応できたことは本当によかったです。
ピーエムシーさんから関わって進めてもらえることで気づいたことや、あれ?と思ったことがあった時に、それに対しての課題共有できて、新人職員・指導者だけでなく、チームが今どうなってるかのアドバイスまでいただけるところが、100日プログラムを通じて、今、私共の施設が一番ありがたいと思っていることです。